すごく疲れてバスに乗っている。なにか後ろの方で女性の声が聞こえている。自分の名前がその話に出てきた気がしたので、振り返ると長い金髪の女性がすごく怒って絡んできた。とにかく、馴れ馴れしく自分に対して怒ってくるのだが、全くその女性の顔に見覚えがない、その事を告げても、更にまだ怒っている。彼女の隣にいた女性が申し訳なさそうにこちらを見ながら、「もういいじゃない」と、なだめていた。
しばらくして、僕はバスを降り少し広いバーのある食堂に入った。その彼女も来ていた。隣には先程の女性ではなく、男性が一緒だった。何かの拍子に僕はその二人のことを知っている気がして来たので、一生懸命に思い出そうとする。
「確かあの時は、髪がとても短かったよね?一緒に彼も居た!」
僕は次々に思い出す記憶を確かめるように、彼女に話す。さらにもう一人男性が居て、その4人はとても中が良かった。映画の話やゲームの話や、色んな事をしてたくさん遊んだこと、自分は就職が決まったためにその街から急に居なくなったこと。
「どうして、あの時連絡しなかったんだよ」
いつの間にか、もうひとりの記憶の中の男性がここに居て、イタズラっぽく僕に話しかけた。そう、記憶の仲間はみな食堂にいたが、その顔には年月が刻まれていた。怒っていた彼女も次第に笑顔になっていった。
でも僕は、まだ彼等の名前を思い出せていない。ここはすごく懐かしくて心地良いのに、なんだがとても疲れている。疲れ過ぎて思い出せなくて、少し寂しい気持ちになったところで目が覚めた。